八角の台湾旅行記

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夜市

ぶらぶら歩いていると、街角に赤いちょうちんがたくさん見えた。
なんともいえない、おいしそうな匂いが漂ってくる。
夜市(イエシー)とはちょうど縁日のようなもの。
様々な食べ物の屋台が並ぶ。

夕方、車の通行は閉鎖され、歩行者天国のような按配で道路が広い空間になる。
そこへびっしりと屋台が出る。一軒一軒の店は小さく、曳き売りのおでん屋程度。
それが何十となく並ぶ様子は華々しく、おのずとお祭り気分になってくる。

屋台は食べ物だけではない。おもちゃ、安物の腕時計、装飾品、得体の知れない飾り物、
健康グッズ、玉類、茶器、文房具、かばん、洋品、何でもそろう。
下着屋は真っ赤なパンツの大売出し。
若い女店主が3枚手に持って高く掲げ、「買って、買って、お徳だよ!」と叫んでいる。
こちらでは赤い下着がたくさん売られている。赤い色は好まれる上、からだを暖める効用があるそうだ。

人々が狭いすきまを、そぞろ歩きしている。
胡椒餅の店は、焼き上がりを待つ長い行列ができている。
こんなところまでバイク入り込んですり抜けていくが、みな気にしない様子で道を譲っている。
足元には犬がうろうろ。

ゲームのコーナーも充実している。
ドラえもん、ちび丸子、キティちゃん、などのキャラクターとたくさん出合える。
家族連れも多く、一家揃ってゲームに興じている。
時には子どもそっちのけで太鼓叩きのゲームに熱中するお父さんもいる。
射的、ボールすくい、スノーボール、パチンコ、数が多くて覚えきれない。
「エビ釣り」というものがあるそうだ。釣りあげたエビは焼いて、その場で食べられるらしい。
エビにとってはたまったものではないが、一度試してみたいものだ。

臭豆腐の強烈な臭気が夜市全体を包み込んでいる。私はこれが大好き。
台北に来ると何はともあれ、臭豆腐を最初に食べる。
台湾の人々もまたこの食べ物が大好きで、人が食べているのを見るとたまらなくなるらしい。
私の皿をチラッと見ては買い求め、たちまち私のテーブルの周りは、
“臭豆腐愛好者の集い”のようになってしまった。
若者グループがわいわいおしゃべりしながら、実においしそうに食べている。
口に入れた瞬間、感に堪えないという面持ちで陶然としている。

線麺(柔らかいそうめん)の屋台では、おばあさんと中年の婦人が、
麺、青菜の炒め、煮込んだ肉などを分け合って食べていた。
屋台は老人でも食べられるものが多い。
だからお年寄りの姿も多いし、車椅子の人もみかける。

それで想いだしたが、地下鉄駅「双連」の近くに馬偕医院という大病院がある。
そのすぐ裏にも市場があるのだが、あるとき、
「パジャマ姿で点滴ポールを押しながら、食べ物を見つくろっているおじさん」がいてびっくりした。
でも考えてみれば、確かに病院の食事よりはずっとおいしいに違いない。
まずリハビリになるし、栄養もつき、夜市の活気も吸収して、早く回復するはずと妙に納得した。
さすがに食べ物にこだわる台湾の人らしい。

台北市内で毎日盛大に開かれている観光夜市は、7箇所くらいあるようだ。
でも、少し歩けば地元の人たちが通う小さい夜市がたくさんある。
それぞれ特色があって、観光夜市より私は好きだ。
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# by bajiao1313 | 2009-07-06 10:50 | 台湾 | Comments(5)

果物

水果と書いて「しゅいぐお」と読む。中国語で果物のことである。
南の国は果物が豊富だが、台湾にも様々なおいしい果物がある。
専門の市場があるくらい、人々から愛されている。
朝市からの帰り、両手に果物の入った袋を下げてゆっくり歩いているおじいさんがいる。
お年寄りの口にも合う食べ物なのだろう。
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果物屋も多い。一口サイズに切った果物盛り合わせは、色々食べられてありがたい。
メロン、西瓜、その他名前も知らない果物が盛られている。どれもみずみずしくて甘い。
道端で売っている串刺しプチトマトは、半分に割って中にプラムが挟んである。
赤と黒の配色がすてき。甘酸っぱく、歯ごたえもいい上、とても安い。
果物を食べると、いっとき暑さを忘れる。疲れもとれる。

蒸し暑いある日、国立歴史博物院の裏にある大きな公園で休んでいた。
木陰の涼しい場所を探し、ベンチに座って池を眺めた。
水面には子魚が群れ泳ぎ亀も首を出し、一面の蓮の葉が清々しい。
蓮の花がたくさん咲いていた。

池の端に画材を広げて水墨画を描いている人がいる。
太い筆に墨をたっぷりと含ませ、葉と茎を一気に描く。花にはそっと桃紅色を差す。
何枚も何枚も、描き続けていた。

近くのベンチでは、休憩している2人連れの紳士が、おもむろに袋を取り出した。
中にはたくさんの荔枝(ライチ)が入っている。
ゆっくりおしゃべりしながら枝からもぎり取り、皮をむいては口に入れている。
あまりにもおいしそうなので、帰りに市場に寄ることにした。

大好きな晴光市場へ行ってみた。
荔枝売りのおじさんが、荷車に荔枝の束を積み上げ、お客を待っている。
近所の奥さんたちが次々と買っていく。評判のいい店らしい。
ずっしりと重い束に大きい実がたくさんついている。きれいな赤い色。
おじさんは「種が小さくて甘いよ」と言っている。

まず、「どれにする?」と聞かれる。「これ」と指差す。秤にかける。「120」と値段を言う。
そこでちょっと黙って待つ。すると「100」と負けてくれる。「買います!」
と、こういう順番で、奥さんたちが買っていた。私もまねて一束手に入れた。
うれしくなり「谢谢」と笑いかけると、おじさんもにっこりしてくれた。

果物の女王とも言われる「ドリアン」は、よく見かけるがどれも大きくて手が出なかった。
スイカくらいの大きさ、棘がたくさん出ているごつい果物だ。
あるときデパートの食品売り場で、小さくパックされたのを見つけた。
高かったがためらわずに買い求めた。
期待と一抹の不安と、わくわくしながら厳重に包んであるラップをはがしていく。

さて、ドリアン初体験の結果は‥‥
あまりの甘さと匂いのきつさに、4口くらいでギブアップした。
慣れればおいしくなるのかもしれないけれど。
でも処分に困った。強烈な匂いなので、部屋に置けない。
思い余って、もう一度しっかりパックしたものを部屋の冷凍庫に入れた。

そして、‥‥そのまま部屋に忘れてきてしまったのだ。
空港に向かうバスの中ではたと気がついたがどうしようもない。
後で知ったが、ドリアンは冷凍するとおいしいそうだ。
次にあの部屋に泊まった人は喜んだろうか?ショックを受けたろうか?
# by bajiao1313 | 2009-07-03 11:23 | 台湾 | Comments(4)

龍山寺

初めての台北は1月末とはいえ、晴天続きでとても暖かかった。
夕方半袖シャツにサンダル履き、ポケットに小銭を入れて散歩に出る。
生暖かい風に吹かれ、身も心もリラックスする。
このなつかしい気分はどこから来るのだろう。
まるでふるさとに帰ってきたようだ。

小学生のころ毎年夏休みに2週間ほど、父の実家の田舎の家で過ごした。
おじ、おば、祖父母、4人のいとこたちが、歓迎してくれた。
当時実家は小さい製粉工場をやっていて、おじたちが働いていた。
粉を挽くモーターが一日中うなり声を上げ、活気に満ちていた。
「工場は危ないから行ってはいけない」ときつく言われていたが、いつものぞきに行きたかった。
私を見かけるとおじの一人はにっこりして「○○子、来たのか?」と私の頭をくしゃくしゃにした。
もの静かなやさしいおじで、大好きだったからとてもうれしかった。

父も、母も若く、妹も私も幼い頃の話…。
この街の風情や、看板の字、のそのそ歩き回る犬たち、子どもたち、お年寄り‥‥
目に触れるもろもろの事柄が昔を思い出させ、たまらなくなつかしい気分になる。

ホテルは台北市の西、下町風のにぎやかな場所にあって散歩にはうってつけだ。
コンビニが多く、曲がり角ごとにあると言っても大げさではない。
便利で助かるが、こんなに多くては競争が大変ではないかと心配になる。
入ってくるお客に対して、必ず「欢迎光临!」と声がかかる。
早い、軽い調子で「ホアンイン コアンリン」と聞こえる。
レジでは「谢谢」とにっこり笑いかけてくる。
台湾に来る直前の旅行先は上海、態度の違いにびっくりした。
うれしくなって「谢谢」と答える。
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龍山寺に近づくと仏具屋の看板が多数目に入る。字は繁体字。画数の多い旧字である。
私はこの字が大好きだ。この字も昔を思い出してなつかしい。
台北市は同業者が軒を連ねる場所が多い。
バイク、家具、漢方薬、乾物類、お茶、布、雑貨類、レストランなどなど。
薬草店街はいい香りが漂う。どの界隈も独特の雰囲気を作り出している。

龍山寺は台湾一の名刹。寺の周りにも若い僧や尼さんの姿が多くみられる。
強い香りの欄の花びらを売る人がいる。
お供え物や菓子を満載したリヤカーが道端にとまっている。
さすがに人々でにぎわっている。

手を清めてから立派な門をくぐり抜けて中に入る。
広い境内の大きな台には花、果物、菓子、水などの、カラフルな供え物が置かれている。
長い線香をくり返し額に押し当てて、真剣に祈る人たちの中には若者の姿も多い。
線香の煙りが境内に充満している。お堂の前では人が輪になって御詠歌(お経)を唱和している。

大勢の参拝客が引きも切らず出たり入たりしている。
お寺が集いの場所になり、生活と結びついているように思った。
にぎやかで、しかも荘厳な場所だ。
私も手を合わせ、旅の無事を祈った。
# by bajiao1313 | 2009-07-01 17:39 | Comments(2)

一目惚れ

旅行が好き。休暇のたびにあちこち旅をしてきた。
たくさんの出会いと思い出は、かけがえのない宝物だ。
私にとって旅の楽しさは、なんといっても土地の人々とふれあうこと。
五感のアンテナを張り巡らし、面白そうな場所、おいしそうな食べ物を探しに行く。
街角で道をたずね、買い物で値切りの交渉をし、食堂ではおすすめ料理や素材を質問する。
公園のベンチで雑談など、チャンスは逃さない。

台北のひいきの豆花店。一人で切り盛りしているのは、元気な若い女店主。
あるとき「夕ご飯食べるのに、どこかいい所ない?」とたずねた。
すると、その場にいた男の子たちの背中をぽんとたたいて「おばさんを案内してあげなさい」と言ってくれた。
近くに住む常連の子達で、店のお姉さんには頭が上がらない。
あわてて食べ終えた、親切な男子中学生3人組は、はりきってあちこち連れて行ってくれた。
最後に「阿姨,还要什么?」「おばさん、まだ何か必要ですか?」と聞いてくれた。
「どうもありがとう、大丈夫よ」と、3人と握手して別れた。
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言葉が充分でなくても、身ぶり、絵を描く、筆談などで、大体のことは通じる。
かたこと交じりのおしゃべりをどうやって楽しくひろげるか、そこは腕の見せ所だ。
相手に敬意を持ち謙虚な態度で接し、きちんとお礼を言うことはもちろんだが、
“笑顔”に勝るコミュニケーションの道具はない。

もちろん危険もあるから、相手は厳選する。
落ち着きのある人、表情のいい人、子ども連れ、暇そうなおじいさん、きりっとした学生。
話し相手になってくれそうな、親切な人を一瞬で見分ける能力が必要だ。
そしてこの人と決めたら、躊躇せず飛び切りの笑顔で話しかける。

一人旅は自分から話しかけなければ、一日言葉を発することもなく過ぎてしまう。
見知らぬ街でずっと緊張しているのは辛い。
ひとときのおしゃべりで楽しい時がもてれば、疲れは吹き飛び、また歩き出す元気がわいてくる。

2005年1月末初めて台北へ旅行して、文字通り「一目惚れ」してしまった結果、
4年間で10回の旅を重ねた。
これからも台湾への旅を続け、いつか“台湾一周、一人旅”を実現する予定でいる。
今までのこと、これからのこと、旅にまつわる思い出を残していきたい。
# by bajiao1313 | 2009-06-30 11:35 | Comments(8)