2011年 10月 08日
一日街を歩いて疲れた。 宿舎の近くまで戻り着くと、空はきれいな夕焼けだった。 天后宮への参拝客は少なくなったが、 仕事を終えてから熱心に祈りをささげている人がいる。 ここは一日信者の絶えない場所のようだ。 食堂や屋台に明かりがともり、夕ご飯を食べる客を呼び込んでいる。 こんなとき一人旅のさみしさをちょっと感じる。 店に入っておしゃべりを楽しめばいいのだが、 慣れない中国語を話すのが少し億劫に感じられた。 それで、料理を持ち帰ることにした。 一軒のレストランに入り、牡蠣入りそーめんと青菜の炒め物を頼んだ。 さらっとしたソーメン、さっぱりしたスープ、たっぷりの小粒の牡蠣が甘い。 もちろん青菜炒めはおいしい。 台湾で青菜の料理を頼んでがっかりしたことは一度もない。 どうしてこんなにおいしくのかといつも感心する。 いずれも一杯50元だった。 疲れた体にちょうどいい量、やさしい味をありがたくいただいた。 #
by bajiao1313
| 2011-10-08 11:07
| 台湾
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2011年 10月 05日
鹿港は寺が多いので寺廟の装飾品が必要とされ、おおいに技術が発達した。 木や石の彫刻品、刺繍、竹細工、神様の像、錫の彫刻、戯偶(人形)などの、 伝統工芸の技術を受け継ぐ職人が多い。 その一つに提燈(ちょうちん)がある。 「呉敦厚燈籠彩絵店」は、燈籠画家として有名な呉敦厚さんの店。 日本でいうところの人間国宝級の腕前を持ったおじいさんだ。 中山路を歩いていると、色とりどりの提燈がぶら下がっているのですぐわかる。 見学させてもらおうと声をかけた。 たまたまおじいさんは不在で、跡継ぎの怡德さんが作業をしていた。 この本に載っていたので来たのですと「百年繁華。最鹿港」を見せると、 興味深げに手にとり、父親が紹介されているページをじっくり読み、 本の名前と出版社をメモしていた。 そのあと私に店の紹介文を見せて、日本語に訳してほしいと頼まれた。 「百年繁華。最鹿港」は中国語の本なので、中国語がわかると思ったようだった。 シンプルな日本語に訳し、紙に書いた。 そんなことをしながら、なんとなくのんびりとした時間を過ごした。 記念に提燈を一つ買い求めた。 金魚が描かれた提燈を選ぶと、「名前を書きますよ」と言ったので、 息子の名前を書いてもらい、土産にすることにした。 怡德さんが字を書いている間、私も静かに座って待った。 異国の地で心にしみる落ち着いた時間が流れた。 風が通るたび、提燈がゆらゆらした。 #
by bajiao1313
| 2011-10-05 19:47
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2011年 10月 04日
お祭りなどがあるとたぶん混み合うのかもしれないが、 今晩泊まるこの宿舎は、大きい割に客が少なくとても静かで快適だった。 本来天后宮への信者、参拝客のための宿舎なのだが、一般にも開放されている。 私の部屋は1200元だったが、数人で泊まる安い部屋もある。 大きなダブルサイズのベッド、部屋は広くて余裕のある造りだ。 一つだけがっかりしたのは、タオルが紙製だったこと。 シャワーを浴びたあとの体を拭くのに、水分の吸収があまりよくなかった。 でもそれ以外はとてもいいホテルだった。 フロントのお姉さんも、警備員のおじさんも感じが良かった。 部屋から眺めた鹿港の街。 #
by bajiao1313
| 2011-10-04 19:55
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2011年 10月 02日
鹿港の中心に第一市場がある。 今までの経験上、どこに旅行しても市場ほど面白い場所はない。 そして必ずおいしい食べ物と巡り合える。 どうもこの辺りらしい、人が集まってぎやかだ。 中に入り目当ての店を見つけたが、店は閉まっていた。 もう2時近くだったので市場の営業は終わっていたのだった。 そばの人に「おなかが空いているのですが、どこか店がありますか?」 と聞くと、「外にあるよ」と指差してくれた。 市場から出てすぐに店は見つかった。 テーブルが数個あるだけの小さい店、ほかに客はいなかった。 「疲れて、お腹ぺこぺこなんです」と訴えると、 やさしい表情の店主は「座りなさい、座りなさい」と椅子を指差し、 何も聞かずに、椀にスープを入れた。 4種類の団子が入った「総合餃」がテーブルに置かれた。 白いスープを最初の一口飲んだとき、薄味に感じた。 ちょっと物足りないかなと思った。 ところが食べ進んでいくうちに、 団子から出る旨みとあいまって程よい濃さに変わってきた。 4種類の団子は形も味もそれぞれ違う。 豚肉の餡、蝦餡、慈姑が入ったさくさくしたもの、 私は菱形の水晶餃が気に入った。 白い皮はまるで餅のようだ、「これが一番おいしい」と言うと、 「そう、QQでしょう」店主がニコニコしながら答える。 台湾の人はしっかり歯ごたえのある食べ物を好み「QQ」と表現する。 疲れたからだと空っぽのお腹に、穏やかに染みわたる旨さ。 食べ終える頃にはすっかり体が温まって元気が出てきた。 もう一度、絶対食べに行きたい店だ。 #
by bajiao1313
| 2011-10-02 21:50
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2011年 10月 02日
鹿港のことわざに、 「3歩あるけば小さい寺に、5歩あるけば大きい寺にぶつかる」とある。 1、庙(寺)が多い。 2、豪商が多く各種の文化、芸術が花開いた。 3、お茶と菓子の洗練された文化が残っている。 少し、京都と似ている。 この街には糕餅の百年老舗が3軒ある。 「玉珍斎」はガイドブックにも乗っている1877年開業の有名店だ。 買い物客でにぎわっていたが、私は建物だけ眺めて通り過ぎた。 私が惹かれたのは中山路に面した小さい店だ。 この店も鹿港に3軒ある老舗糕餅店の一つだ。 看板に「1907年日本東京博覧会で栄誉を受けた」と大きく宣伝している。 1907年の東京大博覧会といえば、夏目漱石の小説「三四郎」にも出てきた。 そんな昔のできごとが今も生きていると、のどかな時の流れを感じた。 「糕・gao」とは、米の粉や小麦の粉を主材料として作った菓子をいう。 「百年繁華・最鹿港」の本では、この街の名産品をいくつか紹介しているが、 菓子についても多くのページを割いている。 「糕の主原料は米と砂糖である。伝統的な米食文化を表し、 精緻な品質は優雅な飲茶文化の一つといえる。」 日本にもある「落雁」と見た目は似ているのだが、この菓子はまったく硬さがない。 非常に脆く、そおっと手に取らないと崩れてしまう。 口に入れるとさっととけて、 柔らかい甘みとやさしい香りに口中が満たされる。 はかなく、上品な菓子だ。 福相の店主。 #
by bajiao1313
| 2011-10-02 12:29
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なつかしい国、 大好きな台湾の紹介と、日々心に響いたことを綴っています。夢は台湾一周一人旅。実現に向けて中国語を少しづつ学んでいます。日本人です。 by bajiao1313 カレンダー
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